スクラムマスターの資格やキャリアって複雑で分かりづらいですよね。同じような資格があって、どれを選べばいいのか、どんな効果があるのか分からないといったケースは多いかと思います。今回は、スクラムマスターの資格取得を検討している方のために、スクラムマスター育成に3年以上携わり、製造業大手のIT部門から上場前のベンチャー企業まで、様々な企業での支援経験を持つ私が、認定資格の種類から取得方法、さらにキャリアパスまで徹底解説します。2024年の最新データに基づき、具体的な年収情報も掲載していますので、キャリアプランの参考にしてください。
この記事の対象者:
- ✓ スクラムマスター資格の取得を検討している方
- ✓ キャリアアップを目指すスクラムマスター
- ✓ フリーランス転向を考えている方
この記事で分かること:
- ✓ 各資格の特徴と選び方
- ✓ 具体的な年収データと市場価値
- ✓ 現実的なキャリアパス
スクラムマスター資格の概要
スクラムマスター資格とは
スクラムマスター資格は、アジャイル開発手法の一つであるスクラムにおいて、チームのコーチやファシリテーターとして活動できる知識と能力を証明する資格です。主要な認定資格には以下があります。
初級資格
RSM(Registered Scrum Master)
- 認定機関:Scrum Inc.
- 特徴:Jeff Sutherland(スクラム共同創始者)が設立した機関による認定
- 有効期間:1年〜無期限(更新可能)50ドル〜500ドル
- 対象:スクラムの基礎を学びたい方、実務経験不問
CSM(Certified Scrum Master)
- 認定機関:Scrum Alliance
- 特徴:最も歴史が長く、認知度の高い資格
- 有効期間:2年間(更新可能)100ドル 20時間分の学習
- 対象:スクラム初学者、実務未経験者も取得可能
PSM I(Professional Scrum Master I)
- 認定機関:Scrum.org
- 特徴:基礎的なスクラムの知識を証明する資格
- 有効期間:無期限(更新不要)
- 対象:スクラムの基礎知識がある方
上位資格
A-CSM(Advanced Certified Scrum Master)
- 認定機関:Scrum Alliance
- 特徴:CSMの上位資格
- 有効期間:2年間(更新可能)175ドル 30時間分の学習
- 対象:CSM取得後、1年以上の実務経験者
CSP-SM(Certified Scrum Professional – ScrumMaster)
- 認定機関:Scrum Alliance
- 特徴:A-CSMの上位資格、スクラムマスターとしての最高位認定
- 有効期間:2年間(更新可能)250ドル 40時間分の学習
- 対象:A-CSM取得後、2年以上の実務経験者
PSM II(Professional Scrum Master II)
- 認定機関:Scrum.org
- 特徴:高度なスクラム知識と実践的な問題解決能力を証明
- 有効期間:無期限(更新不要)
- 対象:PSM I保持者で実務経験のある方
PSM III(Professional Scrum Master III)
- 認定機関:Scrum.org
- 特徴:最も高度なスクラムの知識と実践力を証明する最上位資格
- 有効期間:無期限(更新不要)
- 対象:PSM II保持者で豊富な実務経験を持つ方
参考:スクラムアライアンスSEUとは?取得方法や資格の更新手順
資格の価値と重要性
ビジネス価値
- アジャイル開発の実践に必要な知識の証明
- 転職・キャリアアップの際の強みとなる
- グローバルで認知された資格
組織における重要性
- アジャイル開発手法の導入・定着を推進できる
- チーム生産性の向上に貢献
- 組織の変革を推進する立場として期待
個人のキャリアにおけるメリット
- 年収アップの機会(詳細は後述)
- キャリアの選択肢が広がる
主要な認定機関の比較
認定機関 | 主な資格 | 特徴 | 試験形式 | 有効期間 |
---|---|---|---|---|
Scrum Inc. | RSM | 創始者直系の教育内容 | 研修後試験 | 1年〜無期限 |
Scrum Alliance | CSM, A-CSM | 研修必須、コミュニティ充実 | 研修後試験 | 2年 |
Scrum.org | PSM I, II, III | オンライン完結、厳格な試験 | オンライン試験 | 無期限 |
2024年の開講状況(日数、費用、オンラインOR対面)
認定資格 | 研修会社 | 日数 | 費用 | 備考 |
---|---|---|---|---|
RSM | Scrum Inc. Japan | 2日 | 220,000円(税込) | 対面 |
RSM | Scrum Inc. Japan | 2日 | 220,000円(税込) | オンライン |
CSM | アギレルゴコンサルティング | 2日 | 330,000円(税込) | 対面 |
CSM | アギレルゴコンサルティング | 3日 | 220,000円(税込) | オンライン |
CSM | Attractor Inc | 3日間 | 220,000円(税込) | オンライン |
CSM | Attractor Inc | 3日間 | 297,000円(税込) | 対面、宿泊型 |
CSM | Agile Business Institute | 2日間 | 161,139円(税込) | オンライン |
CSM | Agile Business Institute | 3日間 | 220,000円(税込) | オンライン |
CSM | Odd-e Japan | 5日間 | 330,000円(税込) | オンライン |
PSM | ITプレナーズ | 2日間 | 220,000円(税込み) | オンライン |
出典: Scrum Inc. Japan アギレルゴコンサルティング Attractor Inc Agile Business Institute Odd-e Japan ITプレナーズ
受験者のブログ
いくつか受験者のブログがあったので、ご紹介します。 合格者の多くの人達が研修に対して、スクラムでわかっていたつもりになっていたことに気づけたと感謝しているようです。ほとんどの受講者・受験者が満足していて、非常に学びになる研修であることは確かのようです。
受からなかった2件のブログは、おそらくOdd-eさんの研修ではないでしょうか。私も他の受講者から話を聞いた感じ厳しいと聞いたことがあります。1つ目の記事は、引用されている説明文はOdd-eさんのものですね。
私も、実は2016年頃にアギレルゴ社のCSM研修を受けました。James Coplien先生の回です。James Coplien先生は、「組織パターン」の著者です。海外の講師の場合は、その方の著書のファンが一定数参加している印象です。スクラムを1年程度実践してから受けに行きましたが、言わずもがな素晴らしい内容でした。
合格者
- RSM:1年が過ぎてScrum Inc.認定スクラムマスター「RSM」のライセンスの更新試験を受けたので紹介と体験を記してみた
- RSM:認定スクラムマスター資格をとるまでの流れ
- RSM:認定スクラムマスター(RSM)を取得してトライしてみたこと
- CSM:認定スクラムマスターを受けた話
- CSM:認定スクラムマスター(CSM)の研修が驚くほど良かった話
- CSM:【合格体験記】スクラム未経験から、認定スクラムマスター(CSM)に合格しました!
- CSM:新卒スクラム未経験が認定スクラムマスタ(CSM)の研修を受けた話
- PSM:スクラムマスター資格「PSM I」取ってみた
不合格者
資格取得のステップ
前提条件と必要スキル
前提条件
- 実務経験:基本的に不要(A-CSMなどの上位資格除く)
- 技術的知識:プログラミング経験は不要
- 英語力:日本語での受験可能(PSMはGoogle翻訳アドオン使用可)
基本的に、研修がついているRSMとCSMは真面目に研修を受けていれば実務経験がなくても合格に問題ないとの意見が多いです。基礎的な知識や実務経験がある場合は、ほとんど負担なく合格するようです。再受験もできるので、不合格者は、試験結果ではなく試験の受験資格がもらえなかった場合です。
PSM Iの場合は、学習期間が1ヶ月程度のようです。参考PMSの場合は、Amazonの書籍、Udemyの動画など英語ですが試験対策教材は多く存在しています。
スクラムマスター・アジャイルコーチの実態調査(2024年版)
2024年初頭に実施された国内スクラムマスター・アジャイルコーチ75名への調査から、現場で活躍する実務者の特徴や傾向をご紹介します。この調査は合同会社アゴラックスとサーバントワークス株式会社により実施されました。
基本的な特徴
1. 年齢と経験の分布
スクラムマスター・アジャイルコーチは、25歳から58歳まで幅広い年齢層が活躍している職種です。
年齢分布
- 20代:10%
- 30-40代:80%(中央値:39歳)
- 50代以上:10%
経験年数
- 7年以上のベテラン:27%
- 3-6年の中堅:45%
- 2年未満の若手:28%
この分布から、経験を積んだベテランから新しく参入する若手まで、多様な人材が活躍できる職種であることがわかります。
2. バックグラウンド
スクラムマスターの前職として最も多いのは、ソフトウェアエンジニア/開発者で57%を占めています。ただし、これは必須条件ではなく、様々なバックグラウンドを持つ人材が活躍しています。
市場価値と収入の特徴
1. 全体の収入レンジ
- 平均年収:1,051万円
- 中央値:980万円
- 標準偏差:483万円
このデータから、スクラムマスター・アジャイルコーチは比較的高収入な職種であることがわかります。
2. 収入に影響する要因
a. 専任vs兼務
- 43%が専任として従事
- 専任の方が平均して10.4%収入が高い
- 兼務の主な例:
- ソフトウェアエンジニア(23%)
- プロダクトオーナー(19%)
- プロジェクトマネージャー(10%)
b. 経験年数による違い
- 1-2年ごとに段階的な収入アップ
- 特に5年以上の経験で大きな収入の伸び
- 20代と50代で平均2倍以上の差
c. 資格レベルの影響
- 上級資格保有者(PSM II、III、CSP-SMなど)は高収入傾向
- 基本資格のみの保有者との明確な差
業界別の特徴
1. 主要な活動業界
- ソフトウェア/インターネット:57%
- 情報通信:32%
- 製造業:28%
- ヘルスケア/製薬:16%
- 金融:12%
※複数回答可のため合計は100%を超えます
2. 業界別の特徴
- 最高収入業界:ヘルスケア業・製造業
- 需要の多い業界:ソフトウェア/インターネット
- 成長期待業界:金融・製造業(DX推進)
働き方の選択肢
1. 雇用形態
- 正社員:88%
- フリーランス:12%
2. フリーランスの特徴
- 平均年収:1,443万円(正社員比+45%)
- 年収範囲:540-3,000万円
- 収入の変動が大きい
- 経験年数が大きく影響
日本国内のスクラムマスター/アジャイルコーチ年収調査2023-2024 – ServantWorks
スクラムマスター関係職の年収データ
正社員 スクラムマスター 業界・企業規模別の年収分析
dodaの検索結果に対して並び替えをせずに、仕事内容に「スクラムマスター」と記載のある先頭30社からデータを取得しました。金額の上下幅がかなり大きいことがわかります。その人のスキルや前職の給与に応じての年収提示されることが予測できます。検索結果の件数は406件と多いですが、一部関係のない求人も多かったので、実質300件程度かと思います。
業界別の特徴
- IT業界:400-1,400万円
- 製造業:600-1,300万円
- 金融業:700-1,200万円
企業規模による違い
- 大手企業(1000名以上):600-1,300万円
- 中堅企業(300-1000名):500-1,000万円
- ベンチャー企業:400-1,200万円
正社員 エンジニアリングマネージャー 業界・企業規模別の年収分析
エンジニアリングマネージャーは、その名の通り、エンジニア組織のマネージャー・管理職です。スクラムマスターをしていて、人のサポートにやりがいを感じる方など、エンジニアリングマネージャーに移行していく印象です。こちらは、スクラムマスターと違って技術的な知識も求められる場合が多いので、元エンジニアのスクラムマスターがエンジニアリングマネージャーになるようです。
スクラムマスターと同様に並べ替えをせずに30件抜き取りました。検索結果の件数は332件とスクラムマスターより少し少ないですが、一部関係のない求人が少なかったので、スクラムマスターと実質的な求人数は変わらない印象です。スクラムマスターに比べて、最高年収、集中する年収帯、平均的な年収幅、全てにおいて高い傾向にあります。
後述するアジャイルコーチは非常に需要が少ないので、スクラムマスターからのキャリアアップを狙う際には、一番メジャーなルートかと思います。
エンジニアリングマネージャー:
- 最低年収:400-450万円台
- 最高年収:1,800万円台
- 最も集中する年収帯:800-1,200万円
- 平均的な年収幅:500-600万円程度
スクラムマスター:
- 最低年収:400-450万円台
- 最高年収:1,200-1,400万円台
- 最も集中する年収帯:600-1,000万円
- 平均的な年収幅:300-400万円程度
エンジニアリングマネージャー の転職・求人検索結果 – doda
正社員 アジャイルコーチ 業界・企業規模別の年収分析
アジャイルコーチは、スクラムチームの立ち上げを支援したり、チームのパフォーマンスを高めるためのコーチングを提供したりする仕事です。スクラムマスターを数年経験した人が実施するが多いです。スクラムマスターのそのまま上位職というわけではなく、アジャイルコーチになる方は多くない傾向にあります。こちらは、エンジニアリングマネージャーと同様に、技術的な知識が求められることが多いので、エンジニア出身のアジャイルコーチが多い印象です。
検索結果の件数は29件と需要が少なく非常に狭き門だとも捉えられます。コミュニティに参加していると、募集しているコーチ会社もあるので、一般的な求人サイトではなくコミュニティに来るような人を募集する会社もあるようです。それにしても募集している会社が2倍になったりするわけでもないので、狭きもんなことには変わりないです。
スクラムマスターに比べて、年収幅も大きく、もっとも集中する年収帯も高くなっています。
スクラムマスター:
- 最低年収:400-450万円台
- 最高年収:1,200-1,400万円台
- 最も集中する年収帯:600-1,000万円
- 平均的な年収幅:300-400万円程度
アジャイルコーチ:
- 最低年収:400-600万円台
- 最高年収:1,800-2,000万円台
- 最も集中する年収帯:800-1,300万円
- 平均的な年収幅:400-500万円程度
フリーランス・業務委託 スクラムマスター 案件分布
正社員に比べてかなり収入が大きくなります。同じ価格帯で比較すると低価格帯同士では正社員の2倍、高価格帯同士では1.5倍程度の差があります。フリーランスの案件も多く紹介してもらった経験から見ると、スクラムマスターの経験がある程度のジュニアな方は80万円くらいの募集が多く、130万円以上になってくると同時にコーチのような立ち振舞いが期待されることもおおいです。
そして、フリーランスでは、需要に対して供給が多く、常にスクラムマスターが仕事を獲得できているとは限りません。認定資格の補助講師をするような能力のあるフリーランスのスクラムマスターでも、案件がない期間が発生しています。それに加えて、福利厚生や、社会保険料と年金分は自分で払うことになったり、確定申告を自分でやることになったりとデメリットも多く存在します。
こちらは、これまで紹介してきた仕事の中で 資格 が重視される傾向にあります。社員と違い育てるよりも、即戦力を求められること、採用側もスクラムマスターの選別基準を持たないことから資格の有無が大きく影響します。体感だと8割程度の案件で、CSM か RSM を保有しているか確認されます。PSM の保有しているかを確認された案件は1件もありませんでした。
1. 年収換算での比較
業務委託の月額報酬を年収換算した場合(単純計算):
- 最低額(75万円/月):900万円/年
- 最高額(145万円/月):1,740万円/年
- 一般的な範囲(90-100万円/月):1,080-1,200万円/年
正社員の年収レンジ:
- 最低額:400-450万円
- 最高額:1,200-1,400万円
- 一般的な範囲:600-1,000万円
2. 主要な発見
- 収入ポテンシャルの違い
- 業務委託の方が総じて年収換算額が高い
- 特に経験値の低い層での差が顕著
- 正社員の最高額と業務委託の最高額で約300-500万円の差
- リスクとリターンの関係
- 業務委託:
- 高い報酬
- 契約の不安定さ
- 福利厚生なし
- 稼働率の変動リスク
- 正社員:
- 安定した収入
- 福利厚生あり
- キャリアパスの明確さ
- 年収上昇の予測可能性
アジャイルコーチとの年収比較
2024年初頭の調査※によると、アジャイルコーチはスクラムマスターと比較して約84%高い年収となっています。
職種別の特徴
- スクラムマスター:600-1,000万円が中心
- アジャイルコーチ:800-1,300万円が中心
この差は主に以下の要因によると考えられます:
- 経験年数(アジャイルコーチの81%が5年以上の経験)
- 責任範囲(複数チーム・組織全体を担当)
- 求められるスキルレベルの違い
年収アップのポイント
- 専任か兼務か
- 専任の方が約10.4%高い年収傾向
- 特に経験5年以上で顕著な差
- 資格レベルの影響
- 上級資格保有者(PSM II、III、CSP-SMなど)は高収入傾向
- 経験と組み合わせることでさらに効果的
- 業界による違い
調査によると、以下の業界で比較的高い年収傾向:
- ヘルスケア業界
- 製造業(特にDX推進企業)
フリーランスの市場
フリーランスは全体の12%を占め、以下の特徴があります:
- 平均年収換算:1,443万円(正社員比+45%)
- 年収範囲:540-3,000万円
- 経験年数が報酬に大きく影響
先ほど紹介したスクラムマスターのフリーランス案件では高い案件で145万円(月額)でしたので、一番高い案件を取れても3000万円には届きません。おそらく、こちらの年収の高いフリーランスの方は、スキルがあることに加えて、一般的に公開されているよりも高い募集に応募しているか、自身で営業をしているのか、単価交渉が得意な方であろうと予測できます。
日本国内のスクラムマスター/アジャイルコーチ年収調査2023-2024 – ServantWorks
よくある質問(FAQ)
資格選択について
Q1. 「未経験ですが、どの資格を取得すべきですか?」
A1. 目的によります。 フリーランス で働くことを見据えているなら RSMかCSM を強くオススメします。フリーランスでは案件を受けるときに資格の有無を問われることが多いためです。
フリーランスを考えないなら、どの資格を取るのかに差はあまりありません。 すでにスクラム関係の書籍を読んでいてお気に入りの本があるなら、その本の著者が講師を務めるCSM研修を受けるのもオススメです。 会社から研修予算を出してもらえない場合 で、自分で勉強して「自分の力を試したい」と思うのであれば PSM が良いのではないでしょうか。
ちなみに、他の参加者の方もよく言っている話ですが、 「未経験で受講するよりも経験を重ねて受講する方が有益な学びが多い」 ということです。なぜなら、初学者であれば、基本的なスクラムの内容での学びに注力せざるを得ないからです。研修では世界でも有数の講師に具体的なケースで、どうしたらいいか質問できるわけですが、未経験だとそういった質問ができませんので機会がもったいないかなと思います。
Q2. 「上位資格は取得すべきですか?」
A2. 上位資格を持っている人は年収が高い傾向にあるので、オススメです。しかし、上位資格をもっているか確認されたことはこれまでにないため、上位資格を保持していることはご自身でのアピールも必要になるのではないかと予想されます。
取得準備について
Q3. 「資格取得にどのくらいの期間が必要ですか?」
A3. 資格によって異なります:
- RSM/CSM:2-3日間の研修+試験
- PSM I:1-2ヶ月の独学+試験
- A-CSM:CSM取得後1年の実務経験+研修
Q4. 「英語力はどのくらい必要ですか?」
A4. 基本的な対応:
- RSM/CSM:日本語の研修・試験あり
- PSM:英語試験だがGoogle翻訳の使用可で、選択式の回答
キャリアについて
Q5. 「スクラムマスターは未経験から転職できますか?」
A5. 未経験であれば、RSM,CSMを保有している方が採用側も安心できます。PSMを持っている場合は、知名度がまだ低めなので価値についてしっかり説明しましょう。
Q6. 「副業・フリーランスとして働けますか?」
A6. 可能です。以下が一般的な条件です:
- 報酬:75-145万円/月
- 必要条件:
- 認定資格保有
- 1-2年以上の実務経験
Q7. 「年収アップの可能性はどのくらいありますか?」
A7. 現在働いている会社で スクラムマスターをすることでの年収アップ事例は、残念ながら聞いたことがありません 。そのため、 スクラムマスターからマネージャーになるときに年収アップ をよく聞きます。スクラムマスターをしていると、マネジメント適正があると感じられるようで、話をきいている体感としては、マネージャーへの出世のスピートが上がっているように感じます。
また、 時給換算だけを重視するのであれば、フリーランスのスクラムマスターになることも一つの選択肢ですがオススメはしません。 保証もなくなり、需要に対して供給量が多いので仕事がない期間が生まれる場合もあるので、年収も必ずしも上がるとは言い切れないのが現状です。スキルと、実績アピールに自信があるのであれば、良いかもしれません。
市場動向について
Q8. 「今後、需要は増えますか?」
A8. 以下の理由から 増加傾向 にあります: – DX推進の加速 – アジャイル開発の普及
Q9. 「他のアジャイル系職種とどう違いますか?」
A9. 主な違いは以下の通りです: – プロダクトオーナー:ユーザ調査や、製品の企画、意思決定が主な役割 – エンジニアリングマネージャー:技術的な指導・管理が中心 – アジャイルコーチ:組織全体のアジャイル化を支援
実務について
Q10. 「技術的なスキルは必要ですか?」
A10. 必須ではありません。 スクラムマスターは、エンジニア出身者ばかりではなく、QA出身者やデザイナ出身者も少なくありません。しかし、開発者と接することが多いことから、技術的な用語は軽く押さえておくほうがコミュニケーションが円滑になります。
まとめ:スクラムマスターへの第一歩
キャリアデータから見る3つの選択肢
- 社内スクラムマスター
- 年収:400-1,400万円
- 特徴:組織の理解を深めながら成長
- ポイント:経験5年以上で年収アップの機会
- アジャイルコーチ
- 年収:800-1,800万円(スクラムマスターより約84%高い)
- 特徴:組織変革をリード
- ポイント:経験5年以上が81%を占める
- フリーランス
- 月額:75-145万円
- 特徴:高収入のポテンシャル
- ポイント:CSM/RSM保有が重視される(約8割の案件で確認)
資格選択のポイント
- フリーランス志向 → CSM/RSM
- 企業内活動 → CSM/RSM/PSM
- 独学可能 → PSM
今後の市場性
- ヘルスケア・製造業で高待遇
- DX推進で需要増加傾向
- 組織変革ニーズの高まり
収入アップのポイント
- 専任ポジション(兼務より約10%高)
- 上級資格の取得
- 5年以上の経験蓄積
これらのデータは2024年の調査に基づいています。まずは自身の状況や目標に合わせて、資格取得からスタートすることをお勧めします。
コメント