モチベーションを上げるためのご褒美やってませんか?実は逆効果かも?!

モチベーションを上げたいと思っている、あなた!
子供や部下へ、ご褒美あげていませんか?
自分へのご褒美をやっていませんか?

実は逆効果かもしれないんです。

ご褒美があった経験を振り返る

過去にご褒美をもらった経験はあるでしょうか。それを思い出しながら読んでもらえたらと思います。

逆効果と説明されても違和感を覚える方もいるかも知れません。
過去に、ご褒美を貰えることになって、やる気が出る経験をした人もいるかと思います。

子供のときだと、「夏休みは、1日分の宿題を終わらせるとゲームをやっていい」や
「90点以上取ったら、おもちゃ買ってあげる」
「地区大会ベスト8まで行ったらお小遣いアップ」などあるでしょうし、
大学だと「単位がもらえるからテスト勉強をする」や、
会社員だと「このプロジェクトを乗り越えると飲みに行ける!」でしょうか。
数えきれなほど、いろんなパターンがあるかと思います。

はい、ご褒美でやる気は出るんです。モチベーションは上がるんです。
ですが、万能ではないんです。

そこで、追加で質問をさせてください。

もともと好きでやっていたことに対してご褒美をもらった経験はありますか?
また、それまでご褒美をもらえていたのに、途中からご褒美をもらえなくなった経験はありますか?
ご褒美をもらっていた時と、ご褒美をもらえなくなったあとで自身の行動に変化はありませんでしたか?

ここで、ご褒美をあげることでのモチベーションがどう変化するかの有名な実験を紹介します。

実験

幼稚園において、ご褒美をあげることでお絵かきに対するやる気が変化するか2週間の実験を行った。
幼稚園児は、絵を書くことが好きなので題材に選んでいるよう。

園児を2つの組に分けて、1人ずつ部屋で実験した。
1つの組では絵を描くことのみをお願いし、何もあげない。
もう1つの組では、絵を描いたらご褒美をあげると伝え、実際に絵を持ってきたらご褒美をあげた。
ご褒美は、ボール紙をまくる切り抜いて色を塗ったものである。

ご褒美なしの組は、普段どおり好きな絵を書いて持ってきた。
ご褒美ありの組は、みんないつもより多くの絵を書くようになった。

ご褒美がモチベーションを上げたと言える。

2週間後、実験が終了した後に園児の様子を観察したところ、
ご褒美なし組の園児には大きな変化は見られなかったが、
ご褒美あり組の園児はあまり絵を描かなくなってしまった。

結果として、ご褒美あり組の方が絵を書かなくなった。

これは、もう少し年齢が大きい子供でも同様で、ゲームをやる時やクラブ活動でも報酬がなくなるともともと好きだったことでも前よりもやらなくなる。褒めるのも同様に、褒められなくなったらやらなくなる。

参考

もっと詳しく知りたい方のための優しい解説

* 書籍 教育心理学概論 (放送大学教材) 2014/3/1 三宅 芳雄, 三宅 なほみ
* Web 高校生のための心理学 学習心理学って何?: 中部大学人文学部心理学科

元論文

Undermining Children’s Intrinsic Interest with Extrinsic Reward: A Test of the “Overjustification” Hypothesis

どう活かすか考えてみる

何をしたら良いかは、皆さんに考えていただきたいので、あえて結論は書きません。
もしよければ、以下の質問について考えてみてください。

・ご褒美があることで頑張ることができたことの特徴はなんでしたか。
・ご褒美は、どんなときに使うことが良いのでしょうか。
・どうして、そう考えたのですか?

この記事を書いた人
kawagoi

SM、アジャイルコーチ歴8年
Yahoo6年間→永和SM2年→フリーSM2年
20社コンサル・講演20回以上・著書7冊
教育心理学・スクラムマスター・1on1・リーダーシップ

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